転機を迎える日本の農業

日本の農業は転機を迎えています。TPPやオーストラリアとの経済連携協定はもちろん大きなインパクトを持っていますが、農業の危機はずっと前から叫ばれています。狭く山がちな国土、高い人口密度、高齢化と後継者問題、(特に畜産に関しては)輸入飼料の価格高騰など、逆風の原因を挙げれば枚挙にいとまがありません。

日米間で牛肉・オレンジの自由化問題が最初の妥結を見たのが、1988年(竹下内閣)でした。それ以来、価格競争力に劣る日本の牛肉は、輸入牛肉がほぼ100%赤身中心であることを踏まえて、差別化し易い霜降りへと舵を切って行きました。ですが、「霜降り信仰」を作り上げて行く過程で失われて行ったのは、牛肉本来の味と栄養/健康へのこだわりであったような気がします。前回の投稿でも触れましたが、日本人旅行者の多くがカナダ牛のステーキに舌鼓を打ったのは、日本の牛肉食文化の中で忘れられつつあった味と栄養、という食の基本に気づかされたからではなかったのでしょうか。日本の畜産業が健全に発展して行くためには、今一度消費者目線でお肉を見直す目が必要であり、そこにチャンスが隠れている気がします。

ピンチはチャンス

「十勝若牛」(とかちわかうし)を紹介したいと思います。十勝清水町の人々はピンチをチャンスに変えつつあります。清水町はもともと日本有数の牛乳の生産地。当たり前ですが、お乳はメス牛からしか取れません。サシが入りにくいことから、食用肉としての評価が低いホルスタイン種。年間5000頭も産まれるオス牛をどうやって売って行ったら良いのか、清水町にとっての積年の課題でした。

14ヶ月。これがキーワード。これまで、ホルスタイン種のオス牛は月齢20ヶ月程度で出荷されてきました。ところが清水町ではそれを約14ヶ月という独自の肥育期間で出荷することに決めたのです。これは、「霜降り」という物差しでは到底競争できない牛肉を、視点をがらっと変えて、「赤身で勝負する」ことに意を決した生産者の皆さんの努力の結晶でです。

詳しいことは次回の投稿でお話しするとして、ポイントだけを申し上げれば、「柔らかく」「クセなく」「旨味たっぷり」なのです。まずはお試しを!

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