栄養素という点から見て、和牛肉及び輸入牛肉のヒレとばらについて、当サイト運営者が五訂増補日本食品標準成分表より、主要な栄養素を抜き出して比較表を作成したので、参照して欲しい。

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こうやって栄養素に分解して見てみると和牛も輸入牛も大きな違いがないことに気づく。結局のところ、美容・健康を意識すれば「赤身」という結論になる。したがって、赤身で勝負しつつ輸入牛肉に勝つためには、「質の高い赤身肉を生産する」というところで止まるのではなく、「レストランや家庭で消費者が赤身肉を楽しむ」ところまで視野に入れて、多くの関係者を巻き込んで赤身肉文化を日本に根付かせていかなければならない。乾燥熟成はそうした試みのほんの一部だ。

アメリカのステーキって美味しいの?という、ニューヨークのお肉屋さん及びステーキハウスについて書いたものを見つけた。要するに、ニューヨークでは、

  1. 老舗ステーキハウスのシェフ自らが最上級のお肉を選ぶ。
  2. さらに、自分で選んだお肉をどういう風に乾燥熟成させたいか、シェフ自身が決める。
  3. 摂氏532度という高温のオーブンで焼く。
  4. バターをたっぷり使う。(バター不足の日本ではなかなかハードルが高い!)
  5. サービングプレートの上で焼く。(サーブされるとき、プレートは超アツアツ)

ということであるが、これに加えて、ベーコン、シーフード・プラッター、ホウレンソウ、アスパラ、マッシュドポテトなどなど、それぞれのお店が名物の付け合わせをしのぎを削って開発する。さらに、ステーキと相性の良い最高のワイン、そしてお店の内装、などなど、お肉を最高の状態で楽しむための仕掛けがしっかりできている。トータルなお肉のプレゼンテーション力を高めていかなければ・・・。